自己免疫性肝炎 Autoimmune hepatitis

自己免疫性肝炎とは

自己免疫性肝炎は、原因が不明で発症頻度が低く、難治性の疾患であることから、難病指定されています。50歳から60歳代の女性を中心に発症します。近年では、男性の患者も増えており、かつ高齢化が示されています。現在、日本には約1,000人の患者が集計されており、集計されていない患者を含めると約10,000人程だと考えられています。

 

原因

原因ははっきりと分かっていません。血液検査から、免疫の異常が関係しているのではないかと考えられています。ウイルス感染や薬剤服用時に発症すると報告されていますが、特定のウイルスや薬物は見つかっていません、また、妊娠・出産後に発症する場合もあり、ホルモン環境が発症に関係している可能性があります。

 

症状

本来、自分を守る免疫機能が肝臓の細胞を攻撃するようになり、肝臓の炎症を引き起こします。通常は自覚症状がなく、健診などで偶然発見されるケースが多いと言われています。
まれに急性肝炎のように発症する場合があり、全身倦怠感、黄疸、食欲不振などの症状が見られます。この場合、自己免疫肝炎であるという診断がなかなかつけられず、その結果、副腎皮質ステロイド剤の投与が遅れ、肝炎が進行してしまう恐れがあります。
肝炎が進行すると、急性肝不全や劇症肝炎を呈して死亡してしまう危険性があるため、適切な診断を素早くすることが大切です。

 

治療

一般的な治療法は、副腎皮質ステロイド治療です。自己免疫性肝炎の場合、内服と点滴注射によって投与します。体内から分泌される副腎皮質ホルモンは早朝に多いため、朝のみ、もしくは午前中に多く服用します。
治療効果が得られても服薬は中止せず、徐々に減量していきます。服薬を中止すると、病気が再燃することがあるため、長期的または半永久的に治療を行います。

副作用

長期間、副腎皮質ステロイド治療を行う場合、副作用に注意する必要があります。
注意する疾患
・骨粗鬆症
・肥満
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症

その他には、血栓症、白内障や、満月のように顔が丸くなる満月様顔貌などがあります。

日常で気をつけること

肥満、糖尿病、脂質異常症などが副作用として生じるため、高カロリーの食事を避けるように気をつけましょう。また、副腎皮質ステロイド治療中は免疫力が低下するため、人の多いところへ出かける場合はマスクを着用したり、ほこりが多い場所を避けたりすることが必要です。

予防接種については、一部のワクチンが接種できないため、主治医と相談の上受けるようにしてください。

妊娠・出産は可能です。しかし、治療薬が胎児に影響を及ぼすことがあるため、主治医とよく相談をしてください。

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