肝硬変 Cirrhosis

肝硬変とは

肝硬変とは肝臓病のひとつであり、さまざまな肝臓の障害が慢性化した結果生じる病気です。 
肝臓が小さく硬くなり、正常に働く細胞の数が減少してしまい、肝臓の機能が失われます。

 

原因

肝臓というと一般的にアルコールのイメージを思い浮かべる方が少なくないですが、肝硬変の原因はアルコールのほかにさまざまな原因があります。

「肝硬変の成因別実態2010」によると、約80%が肝炎ウイルスによるものと言われています。

- 肝硬変の原因 -

・C型肝炎ウイルス (HCV)感染…約60%

・B型肝炎ウイルス(HBV)感染…約15%

・HCVとHBVの重複感染…3%

・アルコール性のもの…15%

・その他(自己免疫性のもの、胆汁うっ滞性、血管病変、etc…)

 

肝硬変とメタボッリックシンドローム

最近では、肝硬変とメタボリックシンドロームは、深い関係性があることがわかってきました。非アルコール性の脂肪性肝炎(NASH)が原因で肝硬変になる方が増加しています。また、運動不足や食事によるカロリーの異常摂取が原因で脂肪肝となり慢性肝炎や肝硬変に進行しやすいこともわかっています。


 

症状

肝臓は別名「沈黙の臓器」と言われるほど、病気を発症しても自覚症状が少なく、気がつく頃には大きな病気へと進行してしまっていることも少なくありません。

肝臓の機能は「解毒・消化・代謝」です。この3つの機能はとても重要で、肝硬変になるとこの機能が徐々に衰えるため、さまざまな症状が現れます。肝硬変は症状の進行具合により、大きく2つに分類されます。

・代償性肝硬変…初期の目立った症状がない頃

・非代償性肝硬変…肝硬変の進行が進み明らかな症状が出てくる頃

 

代償性肝硬変

代償期の頃では症状が出ない事も少なくないので、自覚症状がないことがほとんどです。症状があったとしても、ちょっとした体調不良など見過ごされがちです。

代表的な初期症状としては下記内容があげられます。

・全身がだるいなどの倦怠感

・便秘や下痢などの症状

・安静時や睡眠時に手足の筋肉がつる

・栄養を正常に消化、吸収できなく食欲不振や体重減少がみられる

非代償性肝硬変

非代償期になると肝細胞が破壊され続け、健康な肝細胞が減少していきます。すると肝臓は正常に機能できない状態になっていきます。代償期と比べると、 症状が更に明らかになり、全身症状を自覚することが増えます。

肝臓は更に硬く小さくなり、正常に血液を送ることができなくなり、胃や食道の静脈を通って心臓に血液を戻そうとします。すると静脈が徐々に太くなり、コブを作り、胃静脈瘤や食堂静脈瘤となります。静脈瘤は大きくなると破裂を起こし、吐血や下血に繋がり命の危険にさらされることがあります。

代表的な非代償期の症状としては下記内容があげられます。

・足などが浮腫(非代償期の初期症状)

・腹部に液体が溜まりお腹が張る

・脳の機能が低下し認知症に近い症状

・皮膚がむずむず痒くなる

・手や腕を広げると振るえる

・皮膚や白眼の部分が黄色く変色する

・ホルモンバランスによる異常

肝硬変の合併症

肝硬変になると下記の合併症が生じる可能性があります。

・胃、食道の静脈瘤

・肝臓がん

・腹壁静脈怒張(腹部の表面の血管が膨れる)

 

治療

肝硬変の治療としては大きく分けて生活指導、薬物療法、外科的治療法があります。肝硬変の進行具合により治療法は異なります。

 生活指導

基本的には過剰なカロリー摂取は避け、バランスの良い食生活と適度な運動や排便コントロールを行います。ここで重要なのが禁酒です。

しっかりと生活指導を受けることにより、肝臓の重要な機能(解毒・吸収・代謝)を助け肝硬変の悪化を防ぎます。代償期では1日30分程度のウォーキングが適し、非代償期の場合は手足の軽い屈伸やストレッチが適しています。その際、静脈瘤の破裂を防ぐために食後1時間程度は休息をとりましょう。

 

薬物療法・外科的治療法

実は、現代の医療科学では肝硬変そのものへの治療法はありません。症状の進行度に合わせて、肝細胞の壊死や炎症を和らげる薬を内服や静脈注射で投与します。

非代償期に現れる浮腫や腹水の症状に対しては、利尿薬やアルブミン製剤などを投与します。また、命の危険性が高い静脈瘤については内視鏡で静脈瘤を消失させたり、血流を止め静脈瘤を壊死させたりする治療を行います。

肝移植

肝移植は肝硬変や肝臓がんなどで他の治療法がない場合の最終手段に行われ、病気の原因を取り除く根本的な治療法です。健康な肝臓を移植することで、移植後は健康な肝臓と同様の機能を取り戻し、健康な人と変わらず元気に生活を送ることができる可能性があります。

 

- 肝硬変の予防 -

・栄養バランスの良い食事をとる

・適度な運動を心がける

・疲労やストレスを溜めない

・睡眠をしっかりとる

・アルコールのコントロール 

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