十二指腸潰瘍 Duodenal ulcer

十二指腸潰瘍とは

十二指腸潰瘍とは、胃と小腸をつなぐ十二指腸が炎症を起こし、粘膜の一部が欠損してしまう疾患です。同じように消化器に潰瘍ができる胃潰瘍とは混同されがちですが、胃潰瘍が40代以上の発症が多いのに対して、十二指腸潰瘍は20~40代の比較的若い層の発症が多く報告されています。

 

原因

十二指腸潰瘍は、胃酸の分泌が多くなり、十二指腸の粘膜を傷つけてしまうことで起こります。十二指腸潰瘍の主な原因は、大きく分けて3つあります。

ピロリ菌

十二指腸潰瘍患者の約90%以上が、ピロリ菌に感染していると言われています。胃の中にすみついたピロリ菌は、胃酸とともに十二指腸に流れ込みます。十二指腸の粘膜は胃粘膜に比べて酸に弱く、そのため十二指腸潰瘍ができると考えられています。

非ステロイド性抗炎症薬

解熱、鎮痛、抗炎症作用が目的に使用されている非ステロイド性抗炎症薬によって、十二指腸潰瘍になることがあります。痛みを感じないまま症状が進行し、突然吐血などを起こすことがあります。定期的に検査を行い、早期に発見できるようにしましょう。

ストレス

十二指腸に限らず、内蔵の動きは自律神経によって調節されています。強い肉体的ストレスや精神的ストレスを感じると、自律神経が乱れて血流が悪くなり、粘膜が傷つきやすくなります。  

症状

十二指腸潰瘍の症状は、人によって様々です。主な症状は下記のものです。

みぞおちの痛み

肋骨下の中央部に位置するみぞおちに痛みが生じます。食後は消化の働きが十二指腸内の粘液と胃酸のバランスを回復させるため、一時的に痛みが弱まる傾向があります。

胸焼け

胸のあたりに焼けるような不快感を感じます。酸っぱい液体が上がってゲップがでる症状が現れることもあります。

食欲不振・吐き気・嘔吐

風邪の場合などにも起こり得る一般的な消化器系の症状です。十二指腸に潰瘍ができている場合は、こうした症状が長期化します。

吐血、黒色便

潰瘍によって出血が起きている場合は、黒色便が現れます。十二指腸で出た血液が腸液と混じって排出されどす黒く変色しているのが特徴です。

 

検査

十二指腸潰瘍の検査は、主に3つです。

バリウム造影検査

バリウムを飲んでレントゲン写真を撮影します。十二指腸の粘膜の欠損の位置を確認できます。

内視鏡検査

小型カメラを口、もしくは鼻から挿入し、十二指腸内部の粘膜の欠損状況を調べます。症状の病期や進行度を確認するために用いられる方法です。出血が確認できれば、そのまま止血の処置を行うこともあります。

ピロリ菌検査

十二指腸潰瘍の原因といわれているピロリ菌の介在状況を調べます。胃の粘膜を採取してピロリ菌の成分を検査する方法のほか、便、尿、呼気を採取する方法があります。

 

治療

十二指腸潰瘍の治療は、原因や症状によって異なりますが、薬物療法がほとんどです。出血がある場合は、先に挙げた内視鏡検査の際に行い、出血がない場合は薬物療法が用いられます。現在は治療薬の効果が向上し、かつてのように外科手術が必要となるケースはほとんどありません。

薬物療法

ピロリ菌を除去するための薬物療法

薬を7日間飲み続ける治療法です。医師の指示通りに、きちんと7日間服薬することが重要です。

潰瘍を治す薬物療法

胃酸の分泌をおさえたり、粘膜の機能を強めたりする薬を用います。潰瘍が治っても再発の可能性がある場合は、一定期間薬を飲み続けることがあります。

 
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